茅ヶ崎の海側で見つけた「誰にも教えたくない」古民家カフェ

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茅ヶ崎の海側にとびきり素敵なカフェを見つけた。

よく日があたり、やさしい海風が渡る静かな家々の繋がりの隙間に、焙煎されたコーヒーの香りがふわりと流れる。すこし暗くて静かな店内に入ると、物静かな年配女性が一人、やさしそうな笑みを浮かべていた。

主にコーヒー豆の焙煎と販売を商いとしている店なのかもしれない。こんな場所でひっそりとやっていてお客さんがくるのだろうか。そんなおせっかいなことを考えながら、家人と席につく。

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古い日本家屋。もともとは築六十年あまりの精米所だったそうな。

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壁際の席に座って店内を眺めていると、窓外の緑に心身のこわばりがほどけていく気がする。風にゆらぐ木々の葉が心地よいのだ。

きっとこれくらいの古民家風のお店はたくさんあるのだろうけど、ここはお店の中だけでなく、外に広がる景色が店全体の雰囲気をやさしく包んでくれる。この建物をそのまんま都内に持っていったとしても、この空気は生まれない。

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高い天井と梁。

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店内の奥には様々なコーヒーの生豆が置かれている。もちろん注文を受けてから焙煎して販売するのだろう。

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平日の昼下がり。僕ら以外に利用客はいないが、コーヒー豆を買いに来る客は意外と入ってくる。いずれも電話で時間を相談してあるのか、店主がレジ横に豆を用意するとすぐに客がやってきて、慣れた調子で支払いを済ませていく。たくさん常連客がいるようだ。

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家人と午後のコーヒーをいただく。飲む前からうすうすわかっていたことだが、まずいわけがない。

コーヒーの香り。午後の日差し。静かな時間。長年連れ添った人。これ以上何が必要だろうか。

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▲ 家人が頼んだシナモンのシフォンケーキ。ふんわりシフォンにちょうどいい甘味。

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▲ 僕は「香房パフェ」という名の大人のパフェをいただく。苦みのきいたコーヒーゼリーにモカクッキー、シナモンシフォンに、甘さのちょうどいい和風なソースがかかっている。こんなパフェ食べたことない!と騒ぎたくなったがぐっとこらえた。

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▲ 「香房パフェ」と共に気になっていた「ミントゼリー」を、別の日にいただいた。

ミントの爽やかな香りに柑橘の酸味とほのかな甘みが絶妙に同居している。見た目もそうだが、食べてみるとその爽やかさに目を丸くする。世の中にこれほど清々しい食べ物があったのかと。

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▲ また別の日にいただいた「メロンのチーズケーキ」。メロンとチーズという強烈な個性が殺し合っていない。お見事としか言いようがない。

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▲ ここまでくるともう褒めようがないのだが、もちろんアイスコーヒーもとびきりだ。ホットもいいがアイスのこのキリリとした味わいも捨てがたい。

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世の中にはコーヒーの変態が星の数ほどいるし、これくらいのコーヒーやスイーツを出す店はいくらでもあるだろう。

けれどこの店は、この古民家の風情、立地、音楽、味、主人の佇まい、そういうひとつひとつが集まった結果として、他に類を見ない「誰にも教えたくない」カフェとなっている。ジブリ映画に出てくるような……という形容はいささか陳腐だが、宮崎駿だってここへ来たら、ほうと唸るのではないか。

今のところ、晴れた平日の昼下がりにすこしさんぽをして、ここでコーヒーを啜って夏の風情を味わうことが、僕にとって最高の至福になっている。

だからあえてこの店の名前も場所もここには書かない。こういうのは誰かに聞いて行くもんじゃないし、昼下がりの静かな時間を壊したくないという、僕の個人的なワガママでもある。

茅ヶ崎の海側を歩いていて、偶然この店を見つけられたら、きっと嬉しくてたまらないだろう。そのときは、あなたの大切な人にだけ、そっと教えてあげてほしい。

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