「映画ファンの集い」っていうイベントに参加するために目黒に行ったんだけど、目黒駅周辺と言えばラーメン激戦区ってことでちゃんと食べてきましたよ。
あちこち迷ったんだけど、なんだかんだ行けてなかった老舗中の老舗「らーめん田丸」さんで伝説のチャーシューメンをいただいてきました。
らーめん田丸は目黒駅から権之助坂を5分くらい下りたところにあります。
なんと創業1945年!今から70年前、ちょうど終戦の年ですよ。焼け野原でろくな物資の流通もなかったあの時代に創業したということは、リアルに闇市からスタートしたんでしょうか。
闇市っていうと違法でブラックなイメージがある人もいるかもしれないけど、終戦直後の日本人がたくましく作りあげた生きるためのマーケットですからね。新宿ゴールデン街やアメ横なんかも闇市の名残。
↓ちなみに戦後闇市や愚連隊のリアルな描写はこの小説がよかったですよ。
カレー皿で出てくる名物のチャーシューメン
▲ そんな歴史を感じさせるのがこのチャーシューメンの独特の器。
これカレー皿ですやん。しかも今どきはカレーにもこんなんあまり使わないよね(笑)。
▲ 横から見るとこんなチャーシュー・マウンテン!
ノーマルのラーメンにも大ぶりチャーシューが3枚も入っているそうですが、これは食べごたえありそうだ!
▲ チャーシューマウンテンを崩すと、中には甘く煮たキャベツが隠れています。
このとろりと煮こまれたキャベツが、ちょっと塩気の強いチャーシューと一緒に食べるとうまいんだなこれが〜♫
▲ スープをぐびり……う、うまい……。
寒かったのもあったけど、思わず何度もすする。うむ、うむ、うむ、うまい。
鶏や豚の動物系スープなんだけど、昔ながらのあっさりで、舌というか胃に沁みるやさしくノスタルジックな味。
ぼんやりと終戦直後のバラック小屋を想像して、なんだか心にもあたたかいものが溢れてくる。
味だけをさっくりと説明すれば、じつに地味。ふつう。でもそのふつうがうまい。
キャベツの甘い風味にコンソメのような味わいが広がって、地味ながら独特でとってもおいしいスープです。
▲ もちもちの中太ストレート麺は、うどんの歯ごたえを感じさせる日本の良き麺。
▲ ちょっとパサつく感じのチャーシューですが、醤油味が強めに沁みこんでいて噛めば噛むほどじわりじわりとうまい!
トロトロチャーシュー全盛の時代だけど、こういう肉の良さっていいですよねえ。霜降り牛肉より赤身のほうが肉の味がわかるのと同じ感覚があります。
目黒に来たら通っちゃいそうだ!
店内はカウンターのみ12席くらいかな?
片言で話す中国系のおねえさんが一人で切り盛りしていて、丁寧ながらもフランクというかざっくりした対応が微笑ましく感じられました。
さすがに70年も経っていたら味も変容しているのだろうけど、ベースにある部分は変わっていないんじゃないかな〜と思える懐かしい味で、本当においしかった!
権之助坂付近はおいしいラーメン屋さんがたくさんあるけど、次もここに行っちゃいそうだわ〜♫